インターネット上で何らかの情報を発信するにあたり、Webライターと連携すれば成果につながるコンテンツ制作を効率的に進めることができます。しかし、発信内容のジャンルや任せたい範囲によって、適切なWebライターは異なります。適切なWebライターをどこで探せばいいのか、また、どう見極めればいいのかわからず、悩んでいる担当者の方も多いでしょう。本記事では、適切なフリーランスのWebライターを探し、見極める効果的な方法を紹介します。
自社にとって適切なフリーランスのWebライターとは
一言でフリーランスのWebライターと言っても、その仕事の内容や強みには大きな差があります。まずその幅広さを理解しておかないと、広範な括りで人材を探さなければならないので、リソースを割くだけでなくミスマッチも増えてしまいます。そこで、参考として下記の図に企業からの依頼を請けるWebライターの大まかな特色をカテゴリ分けしてみました。
タイプ | 強み | 依頼の判断基準 |
独自の観点や経験を活かした企画で価値創出するタイプ | 本人のSNS等の訴求力によるPV数の向上、オリジナリティのある記事の創出 | 自社のブランドにライターの特徴がマッチしているか、ライターのSNS等のファン層が自社の訴求対象か |
特定の業界に知見が深く、専門性の高い企画で価値創出するタイプ | 専門性の高い記事の創出、ニュースキュレーションメディア等を通じた波及効果の期待 | ライターの専門性が信頼に足るものか、過去にも期待に近い記事制作の実績があるか |
SEOに理解があり、検索に強い記事執筆で価値創出するタイプ | 検索上位表示される記事の創出、それに伴う継続的なPV維持 | 過去にも検索上位表示されている記事制作の実績があるか、ある程度の本数を継続的に依頼できるリソースがあるか |
企業の課題整理を行い、ニーズベースでマルチコンテンツに対応することで価値創出するタイプ | マーケから採用まで広範な記事のアウトソーシングが可能、リファラル等の手段で伝えていく自社発信に適切 | 課題解決力や編集の素地があるか、ある程度長期的な信頼関係を築くに足る相手か |
これはあくまで一例ですが、自社がWebライターに何を頼みたいか、どんな強みを活かしたいかによって、依頼する際の判断基準も異なることがわかると思います。Webライターを探す際、「文章」や「影響力」だけで判断するのではなく、自社のコンテンツ制作から逆算した判断基準で柔軟に検討してみてください。
フリーランスのWebライターってどこにいるの?
そもそも初めてフリーランスのWebライターに依頼する場合、どこで人材を探せばいいのかわからないという方も多いようです。まずは依頼前のリサーチ段階でつまづかない、Webライターを探す方法について解説していきます。
方法1 編集プロダクションを介してライターを探す
まず頼ってほしいのが、インターネット発信に強い編集プロダクションです。編集プロダクションごとに強みはありますが、多くの場合は幅広い強みをもつフリーランスのライターとのコネクションがあります。自社が予定している業務範囲やコンテンツ内容について相談すれば、適切なライターが見つかるだけでなく、コンテンツの精度や編集面でも盤石な体制を整えることができるでしょう。
ただし、この場合はフリーランスのライターと直接契約を結ぶというよりは、編集プロダクションを介してWebライターに依頼する形が一般的です。もしも柔軟なコンテンツ制作のために直接ライターに依頼したい、あるいは編集業務については社内でコントロールしたいということであれば、次の方法をおすすめします。
方法2 人材マッチングプラットフォームを介してライターを探す
WantedlyやWorkshipなど、プロフェッショナルな人材と柔軟な条件でマッチングできるプラットフォームを利用し、Webライターを募集するのも一つの手段です。この方法であれば、Webライター側も事前に相談内容や契約条件を検討できるため、ミスマッチを減らす効果があります。また、Webライター側のポートフォリオや実績が確認しやすいのも魅力です。
ただし、マッチング対象が仕事を探している一部のWebライターに絞られてしまうことは念頭に置いておきましょう。実績が多く人気の高いWebライターや、すでに法人成りしているWebライターは、これらのプラットフォームで自ら案件を探している可能性が低いです。実力の高いWebライターを探し、交渉したい場合は、次の方法をおすすめします。
方法3 企業間の推薦(リファラル)によってWebライターと出会う
もしも自社と類似の内容でWebライターを活用している企業と付き合いがあるようならば、その企業から取引実績のあるWebライターを紹介してもらいましょう。懇意にしている企業からの紹介や推薦であれば、よほどの繁忙でない限り無下に断られることはありません。
紹介であれば、成果物として確認できる公開記事だけでなく、取引中のコミュニケーション力などについても事前に確認することができますし、かかる予算もシミュレーションしやすいです。こういった事前情報を経て新規案件を獲得することは、Webライターにとってもオーサライズが取りやすいので、利点があります。
日ごろの打ち合わせや雑談の際に「Webライターを探している」と話すよう心がけると、自然と相性の良いWebライターを推薦してもらえるようになります。実は宿木屋でも、この流れで紹介を受けることがよくあります。この紹介・推薦を通じたマッチングが、最も失敗が少なく、直接フリーランスのWebライターとマッチングしやすい方法です。
Webライターが自社案件に適切か見極める方法
次に、マッチングしたWebライターが自社に適切か見極める方法を解説します。
ポイント1 ポートフォリオをチェックする
第一に、仕事で書かれた(=個人ブログなどの記事以外)実績を必ず確認しましょう。タイトルや本文だけでなく、取引先や記名の有無なども含めて総合的な信頼度を判断してください。また、一つの媒体や取引先と継続的に取引があり、連載や複数記事を任されているかどうかも信頼を図る基準の一つです。多くの記事を掲げていても、一つの取引先との継続率が低い場合は、取引中に何らかの問題が生じやすい人材である可能性が高いです。
Webライターと名乗る人材のレベル格差問題は深刻で、SNS発信や営業などに注力する一方、実力が伴わない人材も多く存在します。Webライターと名乗っているにも関わらず公開記事が出てこない人材は、取引するのは極めてリスキーです。その一方、SNS等に公開しないものの、豊かな実績をもつWebライターも存在します。むしろ営業せずとも仕事が絶えないWebライターの多くは、理由がない限り外部に大仰なアピールはしていません。したがって、カジュアルな相談をする時点でポートフォリオの提出を促し、内容を見て力量を判断すると良いでしょう。
ポイント2 プロジェクトを任せる前に、本番と同条件でテストする
ある程度まとまった案件を依頼する前に1記事単位で発注してみると、自社にマッチしない人材を容易に見極めることができます。この際、テストであることを明示したり、無償で依頼したりすることはおすすめしません。あくまでこれから長期的に継続依頼することを前提に、価格帯や納期などの条件をそろえて1記事一緒に作ってみることが重要です。
打ち合わせでのコミュニケーションや取材力、変更への対応力など、記事公開までのプロセスを通じてWebライターのさまざまな能力や性格が見えるはずです。その性質が自社にマッチしているか、信頼に足るものか判断した上で、本格的な相談を投げかけましょう。
ポイント3 Webライターの意見を聞いてみる
発注する案件の内容にもよりますが、多くの場合、受動的に依頼を請けて書くだけのWebライターは促進力にはなりません。主体的かつ継続的により良い企画を模索し、コンテンツ改善に尽力できるWebライターが望まれます。この点に関しては、初回の打ち合わせで下記のような問いを投げかけてみると見極めやすいです。
あなたはこのメディアでどんなコンテンツを書きたいですか?
今わたしたちが情報発信について抱えている課題をどうすれば解決できると思いますか?
どんな記事が得意ですか?最近特に書きたいテーマは?
これらの質問に対する答えで、そのWebライターの主体性や企画力、日ごろのアンテナの高さをある程度把握することができます。一方的に依頼内容を伝えるだけでなく、Webライター側の提案を引き出すような質問を投げかけてみましょう。
自社に合ったWebライターを見極め、結果にコミットするコンテンツを生み出そう
今回解説したような形でWebライターを探し、契約前にその実力や特性を見極めれば、多くの場合そのWebライターは知見やスキルをいかんなく発揮することができます。自社の目的に応じた最適なWebライターを見つけ、目標達成の促進力となる記事制作を実現しましょう。