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ピアニスト辻井伸行の「音楽と絵画コンサート」が教えてくれた、美しさとピアノの本質

投稿日:2017年12月13日 更新日:

ピアニスト辻井伸行の「音楽と絵画コンサート」に行きました

こんにちは、雪樹(@yuki62533)です。

先日、ピアニスト辻井伸行の「音楽と絵画コンサート」に行きました。

結論から言うと、あまりに素晴らしかった

「すごい」しか出てこないくらいにすごいのですが、語彙力の限りを尽くして、素晴らしい音を届けてくれた辻井伸行さんについて書こうと思いました。

雪樹なりに、辻井伸行さんの何がすごいのかということをご紹介します。

ピアニスト辻井伸行とは

辻井伸行さんは、1988年生まれ。

幼少期からピアノの才能を開花させ、10歳でオーケストラと共演しデビューしました。

世界各国で演奏活動しながら、作曲も行う多彩な活躍。

数々の受賞歴や評価は公式ページで確認できますが、やはり彼の魅力は音色を聴いてこそ語れる、と今は思います。

[blogcard url="http://www.nobupiano1988.com/profile/"]

辻井伸行さんが教えてくれた「美しさ」

Photo by Oliver Wendel on Unsplash

 

「美しさ」って何でしょうか。

「あ、きれい!」って感動する瞬間はあるけれど、それが何なのかは考えたことがありませんでした。

辻井伸行さんのピアノの音は、一音聴いた瞬間、「美しい」と理解できました。

美しいなら美しいで良いのかもしれませんが、今自分が置かれている立場も含めて、とても大切なポイントだと思ったのでもう少し分解します。

辻井伸行さんの音は穢れがなかった

「美しい」ということは、汚れていない…穢れていないということでもあります。

イメージとして、真っ白なキャンバスに黒いシミが一つついたとします。

おそらくそれは「美しい」が「普通」になる瞬間なのだと思います。

人間にこれを置き換えると、「美しい」状態を保ったまま育つことがいかに難しいかがわかります。

憎しみ、怒り、嫉妬。

環境汚染、戦争、略奪。

生きていれば傍受してしまう汚さって、無数にありますよね。

「無関心になる」「加担する」。

どちらの選択肢をとっても、私たちはどこかでそれを知っていて、関わっています

それが生きていくうえでついてしまう穢れなのだと、感じます。

辻井伸行さんの音は、それがなかった。

本当に、微塵もなかったんです。

辻井伸行さんの「美しさ」は作れない「稀少性」

じゃあ、どうしたら辻井伸行さんのような穢れのない音が弾けるのだろう?

考えましたが、彼しか作れないのです。

辻井伸行さんはきっと、「美しく弾こう」なんてこれっぽっちも思っていないのだろう、と感じます。

ただ、ありのままに美しいと思ったものを弾いた、というだけなのです。

その美しさは、雄大な自然の風景に出会った時の気持ちや、ふとした瞬間に子供が見せる表情に抱く感情に似ていました。

稀少だからこそ、作れないからこそ、理由がないからこそ、美しい。

辻井伸行さんはピアノの本質に気付かせてくれた

Photo by Theo Thomaidis on Unsplash

辻井伸行さんはピアニストですが、「ピアノの音を聴いている」という感覚をあまり抱きませんでした。

辻井伸行さんという人が、「こんな風景があってね、綺麗だったんだよ」と話しかけてくれているような温かさがありました。

ピアノは弾く人そのもの

ピアノは、一人で演奏する楽器の中では極めて表現力の高い楽器です。

演奏できる音高の幅、強弱、あらゆる技術への対応力含めて、演奏者の可能性を広げてくれます。

それはつまり、演奏者の意志を限りなく精密に描き出すことができる、という性質を持ち合わせているということです。

だからこそ、一つ一つの曲に対して演奏者がどう思っているのかが、手に取るように伝わってきます。

それをたいてい邪魔してしまうのは、演奏者の「プライド」や技術的な「ミス」などです。

辻井伸行さんの音色は、辻井伸行さんそのものでした。

辻井伸行さんは「大切にすること」を極めたピアニスト

辻井伸行さんの演奏は、ほぼミスがありませんでした。全曲に渡り、ノーミスに近い状態で弾き切りました。

これって、すごいことです。ピアニストでもここまで精度の高い演奏はなかなかないのでは…と思いました。

それは技術力というより、辻井伸行さんの人柄なのです。

楽曲を、ピアノの音色を、「大切にしている」のが伝わってくるのです。

また、辻井伸行さんの演奏は、リスナーも大切にしています。

自分の世界に陶酔するタイプのピアニストも一つの個性として魅力を感じますが、「聴いていて疲れる」ことが多いです。

辻井伸行さんの演奏は、「聴いてくれてありがとう」という気持ちがにじみ出ているのです。

凄まじい技術力と表現力を持ちながら、嘘偽りなく謙虚な姿勢が演奏に現れる。

こんなことって、あるのでしょうか…?

奇跡を聴いた、としか思えませんでした。

そして、これがきっとピアノの本質を最大限に活かした演奏なのだ、とも思いました。

言葉なくして、想いを伝える

演奏者の人柄を、人生を、音に込める。

こんな風に演奏できる人はそうそういませんが、ピアノの魅力を改めて知ることができました。

辻井伸行さんは美しい生き方を教えてくれる

辻井伸行さんの演奏を聴いている間、ずっと涙がにじんでいました。

こんなに美しく生きている人がいるのか…と、あらゆる要因に感謝せずにはいられない演奏だったからです。

全く違う人生を歩んだ自分が辻井伸行さんと同じようなピアノの音色を奏でることや、美しさを模倣しようとすることは、もちろんしません。

ただ、美しい生き方を教えてくれた辻井伸行さんに感謝する、ということはできる。

そして、自分が惑った時、辻井伸行さんの音を思い出すことも、演奏を聴くこともできる。

そうできることの幸せを感じる。

これだけで、十分なのだと思います。

雪樹は雪樹なりの美しさを追求しながら、生きていこうと思いました。

辻井伸行さんの音、多くの方に届きますように。

ご紹介した辻井伸行さんのCD

「debut 10 years」

debut 10 years

辻井伸行がプロの音楽家として生きてゆくことを決心し、クラシックと自作の2枚組からなるデビューCD『debut』をリリースしたのは2007年10月。今年、2017年10月でちょうど10周年の記念の年を迎えます。このデビューCD『debut』は、発売以来10年で売上枚数28万枚を超え、クラシックとしては驚異的な大ヒット&ベストセラー作品となっています。

おすすめはラヴェルの「水の戯れ」、ショパンの「英雄ポロネーズ」です。

デビュー作「debut」

debut

99年から「ニュースステーション」などでの放送により大きな話題を呼び、その心にダイレクトに響く演奏は多くの人に深い感動を呼び起こしています。
デビュー盤は豪華2枚組!DISC1は、彼の得意とする作曲家ラヴェル、ショパン、リストの有名曲を並べ、美しい響きや超絶テクニックを存分に披露しています。そしてDISC2は、多くの方が望んでいた彼のピュアな心に、思わず涙する自作を収録しました。

デビュー作では、瑞々しい自作曲の透明な音色を楽しむことができます。

おすすめは「川のささやき」です。

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