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「シーモアさんと、大人のための人生入門」から学ぶ、本当に幸せな人生とは

投稿日:2017年10月2日 更新日:

「シーモアさんと、大人のための人生入門」をご存知ですか?

こんにちは、雪樹(@yuki62533)です。

今回は、私が人生について、幸せについて考えるきっかけを与えてくれた名作ドキュメンタリー「シーモアさんと、大人のための人生入門」をご紹介します。

ピアノ講師を描いた静かなドキュメンタリー映画ですが、ピアノを全く知らない人でも響くものがある映画です。

1人でも多くの人に届けたい映画なので、掘り下げてみますね。

「シーモアさんと、大人のための人生入門」とは

シーモアさんと、大人のための人生入門 [DVD]

シーモア・バーンスタイン ポニーキャニオン 2017-06-02

かつて著名なピアニストであり、現在はピアノ講師を続けているシーモア・バーンスタイン。

その人生、ピアノ講師としてのポリシー、ピアノへの想いを描いたドキュメンタリー映画が「シーモアさんと、大人のための人生入門」です。

監督は映画俳優でもあるイーサン・ホークで、この映画はシーモア氏との出会いからプロジェクトが始まったそう。

イーサン・ホークは、俳優としての自分自身への葛藤が、シーモア氏との出会いで和らいだのです。

シーモア氏が一体イーサン・ホークに何を語り、何を感じさせたのか。

その追体験ができる映画になっています。

「シーモアさんと、大人のための人生入門」は、誰しもが幸せの欠片を見つけることのできる映画

私は映画館で「シーモアさんと、大人のための人生入門」を観ましたが、AmazonのDVD購入予約をその日のうちにしたのを覚えています。

理由は、「こんなに自分の幸福に直結する映画は観たことがない」からでした。

シーモア氏が持つ独自の幸福論は、ピアノを教えることを通じて生徒たちに受け継がれています。

また、信念をもってその幸福論を実践しているシーモア氏の姿は、とても静かで美しい。

そんな姿を通じて、「シーモアさんんと、大人のための人生入門」は私たちに幸福の形をそっと示してくれるのです。

CHECK① ピアニストとしての人生に終止符を打った理由

華々しいキャリアを自ら閉じる意味

シーモア・バーンスタインは、若いうちからピアニストとしての才能を花開かせ、多くのメディアに取り上げられました。

パトロンとなる女性が現れ、豪勢な屋敷や見事な洋服などを日々プレゼントされた、という過去をシーモア氏は柔らかく語ります。

豪奢な日々、ゆとりある金銭、才能、栄光、賛美

ありとあらゆる、私たちが欲しがってやまないものを、シーモア氏は20代のうちに手に入れます。

しかし、彼は自ら50歳の時にピアニストを引退することを決意しました。

ピアニストで50歳という年齢は、キャリアを閉じるにはあまりに若いのです。

そして彼は、そう広くない部屋にグランドピアノとソファベッドを置き、80歳になってもなお引っ越していません。

何故彼は、ピアニストとしての道を自ら去ったのでしょうか。

幸福とはシンプルに生きること

シーモア氏は、極度の舞台恐怖症だったと言います。

完璧な音楽を思い描き、それを形にできる才能があるからこそ、それを実現できないことを恐れたのではないでしょうか。

ピアニストとして彼が舞台に臨むことは、同時に恐怖と向き合うことでした。

それを人は挑戦と呼び、ある人は「逃げるべきでない」と言うかもしれません。

しかし、シーモア氏はより自身が「幸福であること」を選びます

それは、シンプルに生きることであり、成功したい気持ちから解放されることでした。

飽くなき欲望に従って、恐怖に追い立てられながら自分を突き詰めていく人生もあったでしょう。

しかし、彼はそれを幸福とは思わず、いさぎよく捨てたのです。

57年間、同じアパートで暮らす人間を知っている? ―…私は孤独を糧にしている。独りの時間が不可欠だ。

シーモアさんと、大人のための人生入門」より

CHECK② 相手の良い所を褒め、出来ていない所を指摘する

ピアノ講師としてのシーモア氏

「シーモアさんと、大人のための人生入門」では数多くレッスンシーンが取り上げられています。

老若男女問わずピアノを教えているシーモア氏ですが、相手が誰であっても温厚な表情や言葉遣いは変わりありません

生徒たちもシーモア氏を心から慕っており、怯えることも蔑むこともなく、まっすぐに自身の意志をシーモア氏に伝えていることがわかります。

自然に褒めることの難しさ

シーモア氏は、「僕よりうまくなっちゃ困るな」など、ユーモアを取り入れながら生徒たちを褒めます。

できるようになったところに対して、必ず「今のが良い」ということを言葉にするのです。

それが上から正しさを強制する言葉ではなく、まるで神が与えた正しさを仲介し、適合していればYESと応えるような清廉さがそこにはあります。

本当に相手を平等に想い、相手の努力を評価しているからこそできる自然な褒め方です。

これがいかに難しいかは、何かを誰かに教えた経験のある人ならわかるのではないでしょうか。

どうしても相手よりも多くを知っているという気持ちや事実は自分を縛ります。

それが自分が苦労して得てきた知識やスキルなら、なおさらでしょう。

アイデンティティにがんじがらめになったスキルに対する呪縛から解放された時、シーモア氏のような教育ができるようになるのかもしれません。

出来ていない所を「出来ていない」と言うこと

あなたは、誰かに対して「出来ていない」と指摘するのは得意ですか?

私は苦手です。だって、相手に嫌な思いをさせたくないから。

それに、出来ていないと言うには、自分が出来ていなきゃいけない…そんな不安もあります。

シーモア氏の指摘は、一切無駄がない上に妥協がありません

「シーモアさんと、大人のための人生入門」で登場するレッスンシーンは非常に印象的です。

「この音はこういう風に書いてある。だからそう弾く。違う、君の音は楽譜と違う弾き方だよ。もう一度」。

淡々としていますが、決してできるようになるまで先に進ませません。

相手が焦っても、ムッとしても、動じることはありません。

ただひたすら、正しくなるまで指摘し続ける。

そのストイックさは、おそらくシーモア氏が自分自身を甘やかさなかったからできることで、かつ自信があるからこそ貫ける姿勢です。

その姿にあこがれ、そんな風に何かを伝えられる人になりたい、と思わせるのです。

音楽の教師が生徒にできる最善のことは、生徒を鼓舞し、感情的な反応を引き出させること。音楽のためばかりではない。人生のあらゆる場面で、重要なことだから。

シーモアさんと、大人のための人生入門」より

CHECK③ シーモア氏の音楽に対する愛情

音楽は裏切らない

シーモア氏が音楽に対して独自の愛情を持っていることが伺えるインタビューの一言が、「音楽は裏切らない」という言葉です。

音楽は常に正しく、美しくある。不協和音が和音で解決され、楽曲は始まり、終わる。

それは紛れもない必然で、決して不和は起こらない。

そんな音楽に対して、シーモア氏は揺らがない信頼を覚え、愛しそうにピアノを弾くのです。

シーモア氏は現在も独身です。それは、一つの生き方として守っている幸福の形なのでしょう。

これは憶測でしかありませんが、もしも裏切らない音楽と対比したものが裏切る人間ならば、シーモア氏の愛は音楽が勝ち取ったのかもしれません。

音楽は神そのもの

「シーモアさんと、大人のための人生入門」では、音楽に対する考え方を語るシーンがいくつかあります。

哲学的なもの、天文学的なもの、宗教的なものなど、テーマは幅広く、興味深いものばかり。

その中でも、シーモア氏は神という存在を懐疑していると語るシーンが印象的です。

実際に耳で聴こえ、自ら奏でられる神を私たちは手に入れているのに、と音楽について触れています。

いかにシーモア氏にとって音楽が崇高なものであるかが垣間見える考え方ですね。

音楽そのものの美が現れるままにする。さらに自分も、その美に感化されるままにする。

シーモアさんと、大人のための人生入門」より

批評家からは「セッション」と対比される作品

音楽の対極的側面を描いた2つの作品

新進気鋭のデイミアン・チャゼル監督の衝撃デビュー作として一躍大ヒットとなった「セッション」と、「シーモアさんと、大人のための人生入門」は対極的作品として取り上げられます。

デイミアン・チャゼル監督は、「LA・LA・LAND」でもそうしたように、音楽を劇的なドラマのエンジンとして扱います。

「セッション」では特に、暴力的なまでに音楽に打ち込むことを強要する鬼教師と若者の激しいぶつかり合いがドラムの音で表現され、音楽映画界に衝撃を与えました。

一方、「シーモアさんと、大人のための人生入門」は優しい音色に乗せて人生の幸福について説くシーモア氏と生徒たちの温かい言葉が印象的です。

どちらも、音楽に対して痛々しいまでに純粋な想いを持ちながら、アウトプットは全く別のものになる。

この2作品が同年に発表されていることも、なんだか運命的ですね。

「シーモアさんと、大人のための人生入門」はあなたの人生を変える教科書

シンプルに、無駄なしがらみから解放され、静かに生きること。

その尊さと、幸福感をこれほどまでに優しく教えてくれる教科書は、なかなか出会えません。

「シーモアさんと、大人のための人生入門」で、あなたも今の人生であなたを縛る「何か」から、解放されてみてはいかがでしょうか。

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