東京三軒茶屋駅から歩いて7分程度。静かな通りに面した“世界初のハンドドリップ日本茶専門店”、東京茶寮に行ってきました。もちろん、ハンドドリップで淹れる日本茶のお味が気になっていたのも去ることながら、東京茶寮の凄さはそこだけではないということをご紹介します。一言で言えば、それは日本茶の沼。私は東京茶寮での体験で、日本茶の魅力を、これでもかというほど教えていただきました。
東京茶寮は日本茶をデザインしている
東京茶寮のメニューはシンプルだ。
1,300円の「煎茶2種飲み比べ+お茶菓子」が基本メニューとなっており、お茶リスト(選択肢は季節に応じて定期的に変化)から2種を選ぶ。
お茶リストはマトリクスによって一覧化されていて、渋みや旨みなどの特徴がどのように異なるかが初心者でも一見してわかる。
また、茶葉の産地や特徴が細かく記入されており、選ぶときの参考情報が多い。
母体の企業がデザイン会社だと聞いて、納得できた。
日本茶の情報や、煎じる茶器、店内、パッケージやシステム、すべてに無駄がなくて、美しい。
公式ウェブサイトには産地の人々のインタビュー映像などが掲載されており、茶の情報発信への熱量も半端ない。
銀座「煎茶堂東京」がお贈りする日本茶ドキュメンタリー映像です。日本初「観て飲む」お茶の定期便「TOKYO TEA JOURNAL」では、映像に出てくる生産者のお茶を実際に飲むことができる体験型のサービスを同時展開しています。観て・触って・飲んでみる。いままで誰も観たことのない日本茶の世界をお楽しみください。
これは、デザインだ。日本茶がデザインされている。
その感動が日本茶を味わう前から感じられる。
ハンドドリップで淹れられた日本茶の変化
ハンドドリップで淹れられる日本茶は、視覚や嗅覚で楽しめる。
しっかり茶葉が浸るまでお湯をいれるため、蓋をする必要性はないのだそう。
まるで実験を見ているような期待とともに、落ちる茶の色やふんわり立ち上る緑の香りを感じる。
1煎目は70℃、2煎目は80℃、さらに3煎目は玄米茶に。
変わりゆく日本茶の味わいや色を、しっかり解説をしていただきながら飲む。
飲みやすい1煎めを、菓子と共に
1煎めはすっと舌を通って香りになって消えていくような、爽やかさ。
選んだお茶の違いを比較しながら、菓子との相性もチェック。
これがまた、菓子もおしゃれでおいしい……。
私が選んだのはいちじくのモナカだったのだが、大人の香りがするバターといちじくの掛け合わせが素晴らしかった。
色の違い、インパクトを楽しむ2煎め
2煎めになると、2種の色の違いがしっかりと見える。
はじめは遠慮がちだった渋みの強い茶葉が、開くことでインパクトを出してくる。
香りはもちろん、舌触りも濃厚になった気がする。
温度による味の変化は、自宅で味わうときはなかなかこだわれないところ。
差が開くからこそ、飲み比べのだいご味も感じられる。
こんなにも茶葉によって味わいが違うのか、と、1煎めと2煎めがあるからこそ痛感する。
2種飲み比べと言いつつも、味わった変化は4種。なんだかお得な気分だ。
直接玄米を淹れる茶の香ばしさに感激
そして、3煎めは玄米茶をいただく。玄米をパラパラと加え、3煎めに湯を注ぐと……。
もう、この香りは、ぜひ直接お店で体感してほしい。なんという香ばしさ。シンプルに感動した。
いつも飲む玄米茶はすでにブレンドが終わったあとの状態だが、ここでは玄米茶が入れられる瞬間も見ることができる。
緑茶に玄米が入って、玄米茶なんだよね。いつもは意識しないことが、目の前で体験できるのがうれしい。
日本茶の味わいの変化を知識として得られる感動
日本茶の奥深さを、わかりやすい説明や解説文と共に知ることができる喜びはかけがえのないものだ。
なんとなくカフェで「おいしい~」だけ言って飲むお茶(それはそれで良いけれど)とはまったく違った満足感が心を満たす。
だからこそ、家でも楽しみたいという欲望が掻き立てられるのだろう。
家で楽しむための商品にも余念がない
東京茶寮は、その欲望まですでに読んでいるのが憎い。
店舗で堪能できる茶葉のほか、さまざまな産地の茶葉がテイクアウト商品として控えている。
機能性にすぐれた透明急須、お茶請けになるイチジクやナッツも販売。
更には先ほど感動した玄米茶用の玄米、お茶漬け用のパックまで……。
家で日本茶を楽しむためのありとあらゆるアイテムが、その場で購入できる。
おいおい、日本茶専門店でここまで財布を軽くされるとは思っていなかったぜ。
(無事に透明急須を購入して帰宅。)
日本茶が毎月届くサブスクリプションサービスもある
東京に足を運べない人にも希望がある。
毎月500円でその月におすすめの日本茶とお茶情報が届くサービスがあるのだ。
日本初「観て飲む」お茶の定期便「TOKYO TEA JOURNAL」 – 煎茶堂東京
美味しいお茶がある暮らし、はじめました。「TOKYO TEA JOURNAL」は、月額500円(税込)で、日本全国から月替りの茶葉2種類と、そのお茶のストーリーを取材した情報誌がポストに届くサービスです。
私自身もなかなか頻繁には通えないなあと残念に思っていたのだが、これはやられた。
早速登録してしまった……。
日本茶の沼にはまる覚悟と共にぜひ体感してほしい
きっと東京茶寮に来た人は、思いがけない感動の連続に心を奪われて、そのあとは日本茶のとりこになってしまうのだろう。
私もそのうちの一人。日本茶にどっぷり。
……だけど、他のお茶も愛するからね!!平等にっ!!
このレポートで心動かされた方は、ぜひ東京茶寮に足を運んでみてほしい。
予約していくと、優先的にハンドドリップの様子が見られる特等席に座れるのでおすすめ。
世界初のハンドドリップで淹れる日本茶専門店「東京茶寮」です。美味しいお茶を普段のライフスタイルに。一般的に流通しない希少品種を、シングルオリジンで飲み比べられる三軒茶屋のカフェです。