家茶記録

おかんと生姜紅茶

投稿日:2019年5月18日 更新日:

おかんは健康が好き、昔から。

私が制服を着ていた頃のおかんは、添加物が入ったものはダメとか、カップラーメンは体に悪いとか、いろいろと制限の多いなかでせっせと三食のご飯を作ってくれていた。

朝7時、夜7時、平日は弁当、休日は昼12時。掃除やら何やらは得意ではなかったようだけれど、食事の時間は本当に正確で、飾らない美味しいごはんが毎回提供されていた。当たり前のように食べていたけれど、今なら本当にすごいと思う。

友人から薦められたと、玄米酵素の粉末を飲んでいたのも覚えている。強く推されたので私も飲んだが、大きめの豆くさい粉末が喉に絡んでむせてしまって、継続は遠慮しておいた。

崩れた食生活と、おかん飯リターンズ

大学に進学すると、おかんの目がなくなった初の東京一人暮らしが始まる。丁寧に育まれた食の概念をぶち壊す生活は正直楽しかった。

徒歩1分のファミリーマートでTHE脂(ジアブラ)と名付けた弁当をほぼ毎日リピートしたし、18年間ほぼ未経験だったファストフードのポテトもLサイズを選んだ。ハタチのときに初めて虫歯になって、「ん?なんで?」と首をかしげた若さを、今は悔いる。

社会人生活では時間も選択肢もなく、出勤途中のセブンイレブンに胃袋を捧げた。おかんの存在も食事も、ずいぶんと遠く、まるで昔読んだ小説のワンシーンのように思えてくる。というか、あの当時は忘れてしまっていた。完全に。

脂、酒、煙草、酒、甘味をミニマル・ミュージックよろしく繰り返す。月に1度、ちょっとだけ高級なレストランへ友達と繰り出し、ヘルシーなランチを楽しんだりするのだが、円グラフにしたら色すら見えないくらい小さな割合だった。

体調を崩し、退職した私は、久々におかんのご飯を食べた。しっくりなじむ。止まらなくて、あっという間に茶碗が空になる。そういえば、学生の頃より10kgも体重が増えてしまったのだった。肌の色も悪いし、手足が冷える。今の私は、10年間のいいかげんな食生活で仕上がった悪質な肉の塊だ。

生姜紅茶はおかんのお墨付き

「生姜紅茶って体にいいらしいよ」

昔に比べたらしわが増えたけれど、昔よりも目が澄んで若く見えるおかんが、話し始める。

「毎日欠かさず飲むと、冷え性に効くらしいし、ダイエット効果もあるって」

聞き流していた言葉やおかんの信念が、今更になって特別なものとして心で理解できる。おかんは、私が10kg太ったり酒や煙草に溺れたりしている間も、変わらず玄米酵素を飲み続けていた。

「ふうん、飲んでみようかな」

会社では時計すら見られないほど忙しかった午後3時ごろ、家事を終えたおかんと温かい生姜紅茶を飲む。やわらかい香りは喉から体へ通っていき、じんわりと灯火を灯すように体温が上がる。あっさりした紅茶の風味と生姜の香りは、単純に相性がいい。

「いっぱいあるから持っていって」

まるで魔法で増えたみたいな言い方をして、大量の生姜紅茶のティーバッグを手渡すおかん。いつになったら飲み終わるやら。でも、おかげさまでお茶をストックする感覚を私は手に入れた。

疲れた私をあたためる一杯の生姜紅茶

そして今、私は茶の魅力にどっぷりハマった。ハーブティやフレーバーティ、中国茶など種類をそろえて、気分にあわせて飲んでいる。含まれる成分や効能も少しばかり覚えてきた。健康に生きることって、とてつもなく幸せなことではないか。口に出してみると「当然やんアホ」と突っ込みたくなるようなことを、この齢になって初めて理解できた。

自分が弱ったとき、忙しくてお茶を選ぶのすらしんどいときに飲むのが、生姜紅茶だ。相変わらず、おかんがくれた大量のティーバッグを使っている。なくなる頃、また新しいティーバッグを貰いに行こうかな。それで、名称もわからないけれど何やらとてつもなく美味い夕飯も、ついでにごちそうになろう。

そんな日を思い浮かべながら飲む生姜紅茶は、私にほのかな活力をくれるのだ。

おかんの味、日東紅茶のしょうが紅茶

日東紅茶 しょうが紅茶ティーバッグ

20袋入りで価格はワンコイン以下。コスパに関して拍手を贈りたい健康茶である。
シンプルだからこそ飽きない。すっぴんでぐいぐい飲める。
キッチンにこの箱のストックがまだ2つほどあるが、母がまたくれるに違いない。

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