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相手を想い、自分を言葉に−卯岡若菜が言葉を紡ぎ続ける理由

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「読者と同じ視点で」等身大のライター術

卯岡若菜さんに取材をして気が付いたのは、複数の視点から物事を捉えるところでした。

Aの立場から見たらこうだけれど、Bの立場から考えると違うかもしれない。多視点でものを見たさまざまな思考が、カジュアルな口調で次々と繰り出されます。

卯岡若菜さん 「ライティングで気をつけているのは読者の考えを想像することですね。相手の感情を煽るような記事はもちろん避けますし、一方的に押し付ける意見にならないよう、心がけています」

育児に関わるメディアでの記事執筆を例にとった卯岡さんは、ご自身が子育てをしながらライターを続けているからこそわかる思いがある、と話します。

卯岡さん 「育児でもっとこうした方がいいという情報は、きっと読者は“言われなくてもわかっている”んです。それを上から口出ししたくないんです。私は、読者と同じ視点で書きたい

卯岡さんの書く文章がもつ“読みやすさ”は、読者と視点を合わせ、等身大にこだわることから生まれています。その根にあるのは優しさであり、強みなのかもしれません。

卯岡さん 「共感する……“相手をわかろうとする”ことが、私の強みだと思っています。相手を思いやる想像力とも言えるかもしれません。完全に理解することはできなくても、想像することはできる」

裏表のない素直さが一貫していることへの信頼

卯岡さんの言葉には嘘がない。その裏表のなさは、公私問わず一貫しています。

卯岡さん 「妹が結婚式のときに“どのテンションで話したらいいのかわからない”って言っていました。理由は学校、家族、会社などそれぞれで見せていた面が違うから。でも私は、そういうのないんです。環境が違っても、いつも見せている私は、同じ私

SNSを通じて知り合った人と対面すると、“SNSの印象のまま”と言われることが多いそう。そこまで自分を“そのまま”出せる魅力は、仕事でも活きています。

卯岡さん 「取材先でも同じキャラクターですね。先日、『音声を録音していることを忘れるくらい楽しく話せた』と取材相手の方が言っていた時、嬉しかった」

取材が必要な記事では、相手から率直な言葉を引き出せるかどうかがインタビュアーの腕の見せ所。それをテクニックだけではなく人柄でなしえる、卯岡さんならではのエピソードです。

卯岡さん 「もちろん“ここから先は見せない”という領域はあります。それ以外は全て出しています…むしろ、さらけ出すしかない、という感じ」

そこまで自分に素直でいるのに、相手に嫌な思いをさせない。卯岡さん独特のバランスはどのように保たれているのでしょうか。

卯岡さん 「仕事だろうとそうでなかろうと、人とのやりとりでは言葉遣いを気にしています。相手がフランクならそれに合わせますが、節度を意識しますし、落ち度があるならお互い認め合えるやりとりをできるようにします。丁寧に、一方的にならないコミュニケーションが大切だと思います」

卯岡さんへの執筆依頼が後を絶たないのは、細やかな思いやりと裏表のなさが生み出す結果なのかもしれません。

小学生の頃から書くことが好きだった

そんな卯岡さんがライターを始めたきっかけを伺いました。

卯岡さん 「もともとは作家志望で、文章を書く仕事としてライターという職業と出会いました」

仕事以外でも「note」などでコラムを高頻度で掲載している卯岡さん。総合的な執筆量は非常に多いように見えますが、それは卯岡さんにとって自然なことでした。

卯岡さん 「常に何か考えていて、考えたら書きます。小学生の頃、先生に提出する『あのね帳』というものがあって、書くと先生に褒めてもらえるので、嬉しくて毎日書いていました。他の子と量を競ったり、内容を工夫したり……」

書いたものを評価された経験は、人の目に触れる文章構成を考えるきっかけなっていたかもしれません。物語や登場人物を考えてノートに記すことも珍しくなかったという卯岡さんは、その後も執筆を続けます。

卯岡さん 「大学生の頃から考えたことを書き記すブログを持っていました。数百記事はあったと思います。暇があれば書いていましたね。ライターという仕事とは関係なく、書くことが好きなんです」

“いま”を言葉にして記すことが自然になっている卯岡さんは、その活動を「note」で継続しています。

卯岡さん 「あくまで主語は“私”です。自分語りだから好き嫌いはあると思いますが、だれかに物申すための記事は書いていません。読んだ方になんらかの“きっかけ”を与えられれば、嬉しいですね」

積み重ねてきた“書く”ことや自分の思考を記すことの積み重ねが、いまの卯岡さんの文章力の礎になっているのでしょう。一方で、くだけた笑いとともにこんな一言も添えてくれました。

卯岡さん 「ただ、考えていることが多いからか、どうしても自分の話が多くなっちゃうんですよね!マシンガントークなので、落ち着きがないってよく言われます」

人が生きやすくなる言葉を紡ぎたい

文章を書くことが自然だった人生を歩んできた卯岡さん。ライターとしての今後の目標を伺うと、“ライターとして大成したいわけではないけれど”と率直な返答をくれました。

卯岡さん 「案件の種類を問わず、人が生きやすくなるものを書きたいと思います。記事を読む行為は、自分の思っていたことを肯定する機会にもなると思っています。だから、私の書いたものが“私、間違っている?”と不安な人にそうじゃないことを伝えるきっかけになれば……と」

相手を思いやる卯岡さんらしい目標。そこまで読者や仕事を共にする相手を大切にする姿勢の背景にあるものが何なのか問うと、意外な答えが。

卯岡さん 「私自身は、本当はガンコですし自己防衛本能も強くて、打たれ弱いです。昔はよく癇癪を起こしていました。……正直、自信がない。だからこそ、大切にするんです。攻撃しないように、一方的にならないように」

自分の弱さを理解した上で、それをコントロールする。さらにいえば、強みにすらしてしまう。卯岡さんの芯が見えた一瞬でした。

取材後も、雑談を楽しく交わしてくださった卯岡さん。その時間を楽しませてくれたところも含めて、“卯岡若菜”なのだなと感じます。

彼女の実直な芯と積み上げてきた文章力が生み出す言葉は、これからもだれかの不安が消えるきっかけを生み出していくのでしょう。


 

本コンテンツについて

今回、ライターである卯岡さんに取材させていただき、記事にしたのは「あんころ勉強会」の勉強企画がきっかけです。

あんころ勉強会とは

あんころ勉強会とは、あんころもっちさん(@ankoromottyamo)が主催している主体的な勉強会です。

参加費をとって受動的に相手に知識を伝える形ではなく、参加者が相互に情報共有してスキルを育てたり、自分に適した案件を受注したりする力を養う場です。

参加者の発表の場として最近はブログ「scriptores docti」も育っています。

インタビュー記事の書き方を学ぶ企画に参加

私は「あんころ勉強会」に本年2月頃まで参加させていただきました。

情報共有や、初面接の際のエールなどをメンバーにいただき、感謝しかありません。

無事に目標達成(私の場合は「クラウドソーシングサイトを使わずに月収を安定させる」でした)したので、その後は卒業生という立場になりました。

今回、「取材記事の練習をしたい」という趣旨のもと、「参加者同士がインタビューを行い、記事にする」という企画が立ち上がりましたので、数があうように卒業生ながら参加させていただきました。

同じライターをしている、かつお人柄的にも好きで、何度かお会いしている卯岡さんに取材できて、本当に良かったです。

この場を借りて、あんころ勉強会並びに卯岡さんに感謝を。

Thanks

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